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勉強好きな子どもに育つ一番の近道とは!?蔦屋書店で幼児教育のことを真剣に考えてみた

2022.01.06

この記事では、お子さまのいる親世代に向けて「自分の子どもが勉強好きになるための本質」を解説していきます。

知育玩具で効果があるものはどれか?、幼児教育は本当に必要か?、何歳から塾へ通わせたらよいか?・・など、子どもの教育に対する尽きない悩み。幼児教室オーナーである私、如月浪漫(きさらぎろまん)が、「あれこれ幼児教育に悩む前に、もっと大切なこと」「子どもの教育を考える前にとるべき親のある行動」について、自身の体験をもとに気づいたことをお伝えしたいと思います。

参考にしていただければ、「なにから手をつければいいのか」「どのように行動すればいいのか」といった悩みが解決するヒントがあるかと思います。

最近はAmazonで本を買うことが増えましたが、私は、やはり本屋さんが大好きです。皆さんの中に「蔦屋書店」という書店へ行かれたことがある人も多いと思います。図書館のように利用できる本屋といえばよいでしょうか。いや、そのような陳腐な表現だと、TUTAYAさんに怒れそうです。

図書館といえば、静寂の中でやり過ごし古い本を借りて返却期限を気にしながら読むというものでした。一方で蔦屋書店。ここでは、おしゃれな音楽が割と大きな音で流れ、スターバックスコーヒーで手にした新作のフラペチーノをお供に、洗練された空間で自席を専有し、真新しい本が読み放題という夢のような本屋さんです。従来の図書館の常識を一変する仕掛けがユーザーに受け入れられ、オープン以来業績も好調です。実際に図書館の民間委託を受けて運用しているというから驚きです。蔦屋書店を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の増田CEOは、世界一の企画会社というビジョンを掲げ、大阪の地から様々な取り組みをしています。私もすっかり蔦屋書店のファンになり、今では2週間に1回は利用するヘビーユーザーとなっています。ここでは試し読みし放題なのですが、私の月間書籍購入額が増えています。まんまと策略にやられているわけですね(笑)。

さて、そのような蔦屋書店は、私たちの知性を伸ばす場として最高です。書店といえば、ある程度の目的買いをする場所でした。自身に馴染みのあるテーマの本が並んだコーナーに向かいがちだったわけです。しかしここでは、馴染みない未知の領域に手を伸ばす仕掛けが沢山あります。書店スタッフの巧みな陳列に、ゆったりした時間が流れていることも相まって、ついつい新しい領域に挑戦したくなります。先日、超・文系の私が珍しく科学のコーナーで立ち止まりました。平置きにしたある書籍が、執拗に私に訴えかけてくるのです。タイトルは、『僕たちは、宇宙のことぜんざんわからない』というもの。その場でページをめくると、イラストあり漫画ありで、難解そうな宇宙を極めて平易に著していることがひと目でわかりました。すぐに、キープしておいた自席に持ち込み2章分くらいじっくり読んでみます。こうなれば、私の中で閉じていた「宇宙」への興味の扉は開放されます。その日からは、宇宙に関する「なぜ?」を自分なりに納得するところまで解明しようと、(これまでスルーしていた)NHKの宇宙系の番組で知見を拡げたり、挙げ句の果てには天体望遠鏡のサイトを覗いてみたりと、知的好奇心はとどまることを知りません。

このような体験から、私は何が言いたかったか。

そう、人が自発的に学習していく過程は、まさにこのようなことにあります。これは大人に限らず子どもも同様です。勉強好きなお子さまに育つかどうかは、学びを拡げた体験があるかどうかということです。今回は例として宇宙をテーマにしましたが、歴史でも、百人一首でも何でも良いわけです。学びの泉を手に入れ自由に泳ぐ経験をした子ども(自ら、興味関心を持ち、学ぼうとアクションを起こし、知の素晴らしさに触れた子ども)は、学ぶことが大好きになり結果として学問が得意になります。

大切なのは、親が自ら知性の広がりを楽しむということ。その姿は、お子さまに必ず伝播します。我が子に賢くなってほしいと願う親は多いですが、具体的な方法がわからない方も多いと聞きます。しかし、学びの本質を理解すると答えはシンプルです。現代は、蔦屋書店のような素晴らしい場所がありますし、最近の書籍は知識への興味付けが本当に上手になっています。学びの泉へと誘(いざな)い、知性あふれるお子さまへ育てて下さい。

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三宅道子 三宅道子

Writer執筆者

Michiko Miyake

三宅 道子

経歴:大学卒業後、米国へ留学。帰国後NHKへ入局。報道部アナウンサーを経て、人材大手および総合経営コンサルティング会社にて人事系コンサルティングに従事。他、事業会社人事部シニアマネージャー職従事。
資格:米国 CCE.inc認定 GCDF-Japanスーパーバイザー/国家資格2級キャリアコンサルタント/GCDF-Japanキャリアカウンセラー

米国スタンフォード大学にて教育社会学聴講。PhDを目指す学生の優秀層の傾向を知る。カウンセリング、コンサルティング業務を通し教育機関をはじめ幅広い業界で相談業務、教育支援を経験。予備校における営業支援の一環で現代文と小論文教科を指導し、難関大を突破する生徒の傾向を分析。専門学校ではマネジメント論の講義を、大学ではキャリア系講義の他、高学歴でありながら人生に迷う大学生のカウンセリング業務を行う。クライアント企業では階層別人材育成研修を設計、実施し能力開発を行い、特にIT企業に対しメンタルヘルスによる離職防止支援を行う。また企業内人事として採用および全社教育研修設計を行う。 これまで受験生、大学生、社会人の教育支援と成長観測に携わり、学歴と仕事力との相関性 、およびウェルビーイングについてリサーチを続けている。

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幼児教育に対する想い:
子どもの自立的発達が社会を変えると信じています。 VUCAと言われる 先行きの見えない時代、子どもに豊かで幸せな人生を歩んでほしいと誰もが願うものですが、 日本の幸福度ランキングは世界第47位です。幸せの定義を、夢の実現、支えとなる人の獲得、経済的な安定と 仮定するなら、そのために必要な要素は知能と人間力、そして健康です。 なぜなら、 幸せの実現には、高い知能を駆使しながら物事を構造化し、夢を夢で終わらせず明確な目標として設定し周囲の協力を仰ぎながら粘り強く困難を乗り越える力が必要となるからです。当然健康であることが前提です。日本の教育はこれらを十分に伸ばせていると言えるでしょうか。

難関大で就職活動する学生や企業経営者の悩みを聞くと、論理的であるのに自己表現できない学生、優秀であるはずなのに顧客の気持ちを掴めない新人 、体調不良や人間関係が原因で大企業から離職する管理職が少なくありません。こうした不幸は、現在の教育が万全でないことを示しています。日本の受験システムはIQを測るものですから、万全でないのは人間力に当たるEQとSQです。 心の知能指数EQは感情をいかに上手に扱えるかの指標であり、社会的知性であるSQは、高いほど共感を生む影響力やビジョニング、チーム力を発揮します。

子どもに幸せな人生を求めるなら、公的教育で充足しない教育を与えるのは私たち親の役目 です。幼児期は知育、徳育、体育を特に経験を通して身につけることが 第一です。日本語は全ての思考の礎となり、知識なしに思考を深めることはできません。徳育は他者を理解する想像力を育みます。また幼児期の運動がその後の運動継続力を養います。本に親しみ、他者と交わり、集団の中で問題解決や達成経験を積むこと。 時には自然の中で行えるならなお良いでしょう。 人智を超えた大自然に圧倒される体験をAwe(オウ)体験というようですが、この時脳は通常の何十から何百倍も活性化します。これらを可能な限り、大人の介助なしに独立独歩でさせることが重要です。 子どもは、大人の介助がない時ほど探究心を持って集中し、問題を解決しようと試み、達成の充実感を味わうからです。大人は経験の場を与えることと安全の確保、共感する役割に徹します。 口出しを控えることが発達を促進させます。

こうした 子どもの自立的発達が土台となり、自己実現を叶え、やがては個人の幸せはもとより混沌とした世界をより良い社会へ導くと信じることから、幼児期の発達に寄与する価値を感じています。